蛋白質は、生体の形成力によってもたらされる様々な変化に最も適した生体物質です。その結果、この変化した蛋白物質から生じるものが、私たちの肉体器官および肉体全体の構造に現れるのです。
このような用途に適するためには、蛋白質は肉体の中で、肉体が必要とする形態に変化することを求められた瞬間に、その素材としての構成成分の性質から生じ得る、元来のいかなる形態も変化させる固有の能力を持たなければならないのです。
人間の生体内の全ての物質の中で、脂肪は外界から取り込まれた時、最も異物でないことを証明します。脂肪が食品として摂取されたときにもたらされる性質は、他のどの物質よりも容易に人間の有機体の作用様式へと移行します。例えば、バターに含まれる脂肪の80%は、プチアリンとペプシンの領域をそのまま通過し、膵液によってグリセリンと脂肪酸に変化するだけなのです。